はい、全身に陰を配しました。
この段階でいつも思うのは、いかにして描かないか、ということに尽きます。つまりこうやってまがりなりにも形が整ってくると、ここも、もうちょっと描き込んだほうが良いな…、あともう少し線を入れようか…などと描いたりしてるうちに余計な線や色、陰が増えちゃって、あれ?何か印象が変だな…と、なりかねません。
こう…どこの専門分野でも達人みたい人って、あんまし余計なことしないじぁないですか。刀の居合、柔道、華道、書道、陶芸家、空手の試合、料理…。僕は洋楽が好きですから、楽器の演奏もよく聴くんですけど、達人になると楽器弾かないんですよ。もうね、キャリア積んでくると演奏者の技術たるや熟練を通り越して神業に近くなってきます。超絶技巧なんてお茶の子さいさいってなると、ジャズやロックでも、キーボード奏者がその達人だとしたら、曲の合間に「チョーン…」って、ピアノのキィ一回叩くだけ…。
「オマ!何やってんだこら!」ってなりますけど、…まぁ何を怒ってるの?聴くほうもその達人技を理解しなくちゃ。つまり余計な演奏を削って削って、削ぎ落として唯一弾くべき瞬間に、正にビシィィッ…と、やるわけですよ。
まぁそこまで凄くないですけど僕もね、少しくらいそういう心境が分かってきてるかなぁ…。あ…、それこそ「何言ってんだこら!」って言われますね。